3分でわかる!!M&A仲介手数料で得するヒト・損するヒト(売却オーナー編)

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執筆者 石神大揮

2015年より愛知県でヘルスケア事業を経営。順調に拡大していたが、単体での成長に限界を感じ、譲渡側としてM&Aを実施。譲渡後は大手企業で、50人以上のマネジメントや譲受側としてM&Aを経験。大病を機に人生観が大きく変わり、「深く人の人生に関わる仕事をしたい」と一念発起。M&Aworksの創業に参画。

3分でわかる!! M&A仲介手数料で得するヒト・損するヒト(売却オーナー編)

M&A仲介会社を利用すると仲介手数料や報酬がかかります。それらは業界特有の計算法によって計算されますが、計算方法自体は複雑なものではなく誰でも簡単に求めることができます。
本記事では、M&A仲介会社を利用する際の手数料を中心に一般的な計算方法や大手仲介会社の例を基にご説明をいたします。
以下に大きく3つに項目を分けて解説いたしますので、ご自身での手数料計算やM&A仲介会社選定のヒントにしていただければと思います。

1.M&A仲介手数料の一般的な相場および種類

1-1.M&Aにおける手数料とは

M&Aに関するアドバイスおよび進行の支援をしたM&A仲介会社に対して、その対価として支払う費用を言います。
仲介会社ごとに費用の発生するポイントや金額が異なってきます。

以下、M&Aのフローにおける手数料等が掛かるポイントです。
 
M&Aの成立までに手数料等がかかるポイントが3つあります。
アドバイザリー契約時、基本合意時、M&Aの成立時に費用がかかることが多く、それぞれ金額も異なります。費用については、どのポイントで掛かっても基本的に返還されることはありません。

M&Aにおける手数料とは

着手金:正式にM&A仲介会社に依頼する際の費用(仲介会社によりますが、100万円のケースが多い)です。
※アドバイザリー契約とはM&Aを進める際に譲渡企業または譲受企業とM&A仲介会社が締結する契約です。

中間手数料:M&Aの検討が進んだ際(基本合意のことが多い)に支払う費用であり、
成約報酬の内金として10%か20%の場合が多いです。
※基本合意とは譲渡企業と譲受企業および仲介会社にて譲渡対象範囲、その金額等のM&Aの基本条件を合意し
た段階で、その内容を確認する意味合いで文書を締結することです。(結婚で言う婚約のイメージ)

成約報酬:M&Aの契約が「成立」した際に支払う費用です。
※仲介会社やM&A対象会社ごとに計算方法及び金額は異なります。

備考
※月額報酬(数万~50万)を追加で請求する会社もありますが、一般的には着手金・中間手数料・成約報酬の3つの中で構成されています。ただし、仲介会社によっては着手金や中間報酬がない会社もあります。逆に成功報酬がない会社はほとんどありません。
※譲渡企業にかかるその他費用(合計数万程度)
・契約書チェックの弁護士費用(弁護士以外が行うと違法)
・税金面のアドバイザー費用(税理士以外が行うと違法)
・その他、M&A全般に関する顧問報酬

1-1.成約報酬について

手数料の中でも大部分を占めるのが成約報酬です。以下に一般的な計算方法を記載しますのでご自身で計算してみてもいいかもしれません。
①計算方法
成功報酬を決める指標として一般的にはレーマン方式を用います。
レーマン方式とはM&Aにおける取引金額等にて料率を掛けて手数料を導き出す方法です。
※一般的な算出基準として多くのM&A仲介会社で採用されています。
譲渡企業の売却価額手数料
5億円以下の部分 5%
5億円~10億円以下の部分4%
10億円~50億円以下の部分3%
50億円~100億円以下の部分 2%
100億円超の部分1%
(計算例)譲渡企業の売却価額が7億円の場合
 5億円×5%=2.500万円
(7億円-5億円)×4%=800万円
 合計3,300万円   
②レーマン方式の種類
上述したレーマン方式には複数の種類があり、仲介会社によってどの種類を使っているかは分かれています。
一般的なM&Aにおいては、以下の方法で計算されることが多いです。
株価レーマン:株式価値に①の料率を掛ける方法
(計算例)譲渡企業の売却価額が7億円の場合
 5億円  ×5%  =2,500万円
   (7億円-5億円) ×4%  =   800万円
    合計 3,300万円
総資産レーマン:株式価値+負債に①の料率を掛ける方法
(計算例)譲渡企業の売却価額が7億円で負債が3億円の場合(7+3億円)
 5億円  ×5%  =2,500万円
   (10億円-5億円) ×4%  =2,000万円
      合計 4,500万円
※M&A worksは株価レーマンにて計算をしています。
⇒どちらの計算方法がよいかは、ご売却企業によって変わります。
工場や機械の設備投資が大きい会社は設備投資に対して負債が増えますので、総資産レーマンの方は手数料が高くなります。
逆に設備投資や借入が少ない企業はどちらの計算方法にしても手数料はあまり変わらないケースもあります。

そもそも手数料を払いたくないとお考えの方

M&Aにおける仲介手数料は高額なものとなります。その費用をかけたくないというのは当然理解できることですが、実際にM&Aの仲介会社を利用せずにM&Aができている会社は多くありません。
仲介会社を利用しないケースとしては、譲受企業から譲渡企業に直接アプローチする場合が多いですが、そもそもそういったケースは少なく、直接お声がかかる企業は財務的に非常に優良か譲受企業と同業というパターンに限定されることが多いです。

従って、M&Aに慣れていない中堅・中小企業においては、費用は掛かりますが仲介会社を上手く活用することでご希望に沿ったM&Aが実現できることが多いです。

2. 大手仲介会社の手数料一覧

以下にM&A仲介会社大手とM&Aworksの手数料体系を記載いたします。 仲介会社を選定する上で、手数料の比較は大きな要素となります。 仲介会社によっては譲渡企業と譲受企業で計算方法を変えている会社がございますので、 本章においては譲渡企業様に対する仲介手数料の記載とさせていただきます。

2-1.各社手数料一覧

M&A仲介大手3社及びM&Aworksの手数料体系

 

大手仲介会社含め違いがある部分としては、M&Aの入り口で着手金を支払うか、ある程度進んだ段階である中間報酬で支払うかが比較する要素となります。
金額だけ比較すると着手金が100万~200万、中間報酬が成約報酬の20%(成約報酬が3,000万だとする)で600万となりますので、M&Aが成立していない中での費用としては中間報酬の方が大きい金額となるのがデメリットですが、中間報酬ではお相手様(譲受企業)が見つかっている段階なので、着手金時点(アドバイザリー契約)よりはM&A成立の確度が高い状況というメリットもございます。

M&Aworks日本M&Aセンターキャピタル
パートナーズ
ストライク
株式の売買額
(株価レーマン)
株式の売買額

負債の額
(総資産レーマン)
株式の売買額
(株価レーマン)
株式の売買額
(株価レーマン)

レーマン料率

成約報酬についての計算方法は多くの仲介会社が株価レーマンを利用しています。譲渡企業のオーナー様は意外とこの事についてご理解されていないままM&Aを進めることもありますので、交渉の入口で手数料の発生ポイント共にご確認いただくことをお勧めいたします。

3.着手金払う派? 払わない派? 

3-1.着手金について

M&A仲介会社へ正式な依頼を行った後に支払う費用のことを言いますが、譲渡企業のオーナー様にとっては費用が発生する最初のポイントなので、ご検討に悩まれる方も多くいらっしゃいます。

費用については、仲介会社毎に着手金は無料の場合と100~200万円程度かかる場合に分かれます。
※着手金が必要な仲介会社の場合、ご紹介いただく譲受企業のM&Aに対する本気度が強いことを意味しています。

3-2.なぜ、着手金有りの会社と無しの会社があるのか

M&Aの仲介会社を選ぶシーンで、その仲介会社の料金体系が「着手金あり」か「着手金なし」かというのは、M&Aを検討するオーナー様にとって、とても気になるところだと思います。

M&Aworksは着手金をいただいており、その理由を以下に記載します。

 

着手金ありのメリット

  1. 「譲渡企業」「譲受企業」双方に、相手が本気であることが伝わり、双方企業同士でリスクが少ないことが理解できる。
  2. 相手を検討する際のリスクが少なくお互い前向きに検討を進めることができるので、良質なマッチングが生まれやすくなる。
  3. 仲介会社も着手金を頂くことで、お相手探しでの本気度が強まる。
    ⇒仲介会社としても着手金を頂くことにより責任が大きくなり、よりお相手探しに人や時間のコストをかける

ようになります。逆を言えば着手金を払った会社は仲介会社に対して、意見を言ったり行動を求めることに 合理性が働きます。

着手金ありのデメリット

  1. 譲渡企業様の場合、着手金を頂いてから仲介会社は譲受企業の探索を開始するのですが、お相手企業が見つからない場合でも着手金は返還されないです。
  2. 複数の仲介会社に依頼する場合、着手金がある仲介会社に依頼する毎に費用が必要となります。

着手金なしのメリット

  1. 譲渡企業様の場合、譲受企業が見つかり交渉が進むまでは費用がかかりません。
  2. 複数の仲介会社に依頼する際に、着手金がない仲介会社に依頼をすれば、交渉がある程度進むまでは費用がかかりません。

着手金なしのデメリット

  1. 譲渡企業に対して譲受企業が本気ではないと感じることがある。
     ⇒譲受企業としてはコストをかけて検討しても、いざ交渉に入ると譲渡企業にその気がない場合があるので極力そのリスクを減らしたいと考えています。
  2. 複数の仲介会社が同じ譲受企業に紹介する為、出回っている会社で何か問題があるのかと疑われる可能性がある。結果相手が見つからないリスクが増加する。
  3. 仲介会社が着手金を頂いていないので、お相手が見つかりやすい企業を優先し、案件ごとに本気度を変える可能性がある。

 

3-3.結論

真剣にM&Aを検討されている方であれば、「着手金あり」としている仲介会社を選んだ方が仲介会社も本腰を入れて取り組むことが多く、成約する可能性も上がります。
逆に情報漏洩のリスクはあるが、とにかく色んな仲介会社に依頼をしたい方は「着手金」なしの仲介会社を選んでみてもよいのではないでしょうか。

まとめ

M&Aで必要な手数料は、売却金額や仲介会社によって変わるため、まずはどのタイミングで費用が掛かり、一般的にどのような計算方法で算出されるのかイメージができれば問題ありません。
その上で、実際に仲介会社とお会いした際に詳細を聞きましょう。

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