M&Aをサポートする機関は?その特徴や選び方を徹底解説

author-avatar

執筆者 五月女 圭介

米国大学院卒業後、ITベンチャー企業及び大手事業会社にて、経営戦略や新規事業開発等に従事。M&A後の業務統合に深く関わり、譲渡企業の経営者とともに成長戦略立案や事業立て直しに携わる。企業成長におけるM&A活用の重要性を強く実感し、M&A 業界への挑戦を決意。 理念ファーストのM&A works代表の安藤に強く共感し参画。

M&Aのサポート依頼先はどんな種類がある? その特徴や選び方を徹底解説

中小企業のオーナーにとって、会社の譲渡は一生に何度もあるものではありません。会社を譲渡する過程には、オーナーご自身しか分からないような想いや感情が出てくると思います。その際、信頼できる支援機関があらゆる面でサポートしてくれたら、安心できると思いませんか?

M&Aをする上で専門家のサポートは必須です。なぜなら、M&Aには法律的な知識、税務的な知識、財務的な知識、その他多くの情報が必要になるからです。いざM&Aに取り組もうとお考えになった場合に、ゼロから全てオーナーご自身で対応されることは、非常に難易度が高いことだと思います。

現在、M&Aという経営手段は世の中に広まっており、それをサポートしてくれる企業やサービスが以下のように数多くあります。

  • M&A仲介会社
  • ファイナンシャル・アドバイザー(FA)
  • M&Aの情報プラットフォーム
  • 金融機関(保険会社、証券会社含む)
  • 税理士法人
  • 会計事務所
  • 監査法人
  • 弁護士法人
  • 司法書士事務所
  • 社会保険労務士

中小企業庁のM&A支援機関登録制度によると、2023年末時点で、法人や個人を合わせて3000件以上もの登録があります。

今回の記事では、

  • M&Aにおいてどのようなサポートが必要になるのか
  • どのようにサポートをしてくれるのか
  • どのような基準でM&Aをサポートする支援機関を選べばいいか

などを説明いたします。

M&Aに取り組もうとお考えになった場合、この記事を読んでM&Aのサポート依頼先に関する不安を解消してください。以下でその要点を細かく説明していきます。

※この記事で紹介する事例は、特定を避けるため、一部を抽象化、編集した上で掲載しています。

目次

1. より良いM&Aの実現にはプロフェッショナルの力が欠かせない

一生に一度あるかないかのM&A。譲渡を検討するオーナーの多くにとって初めての経験になると思いますが、M&Aを実現するには法務や財務、ビジネスなど高い専門性が必要になります。そのため、M&Aを進める上でこれらのサポートは非常に心強いものになるかと思います。

M&Aをサポートする人たちは『M&Aは経験の仕事である』と口をそろえて言います。経験豊富な“サポーター”がいることによって、オーナーはより安全にM&Aを進めていくことができます。では、M&Aで専門的なサポートがなぜ必要かを具体的に説明します。

M&Aは大きく分けて4つのポイントから構成されています。

①会社や事業のご売却金額を決めること
②お相手を見つけること
③契約書を締結すること
④①~③の道筋を立てて準備や交渉をすること

それぞれをご覧になっていただいてお分かりになるかと思いますが、それぞれの専門分野にプロフェッショナルがいます。

ご売却金額を決めるためには税務や財務のプロフェッショナルである税理士のお力が役に立ちます。ご契約書を締結するためには法務のプロフェッショナルである弁護士のお力が役に立ちます。お相手様を見つけるには圧倒的な情報量を持っているM&Aの仲介会社のお力が役に立ちます。皆様としては、これらをもってM&Aをよりよいものに実現していくことができるのではないでしょうか。

併せて、司法書士(登記関係)や社会保険労務士(労務問題)など多くの専門家の力を合わせて、M&Aが実現しています。

先ほど『M&Aは経験の仕事である』と記載しましたが、これらの専門家が、将来何が起こるのか、どんな問題が発生するのか、をあらかじめ想定し、その準備をしておくことで、問題を回避することができます。

つまり、専門的な知識に加え、M&Aの経験が豊富な方が皆様のM&Aをサポートしてくれることがより良いM&Aにつながる、という考えです。

2.M&Aをサポートする支援機関とその特徴を解説

M&Aをサポートしてくれる支援機関は、役割によってたくさんの種類があります。これを分かりやすく車の運転で例えてみましょう。

“車”は会社です。この車に乗って目的地まで向かいます。
“運転手”はオーナーです。M&Aという道を進み、目的地まで走っていきます。

M&Aという道は、どちらに進んでいけばいいのか、どのぐらいのスピードで進んでいいのか。また、初めての道であるため、分からない運転手の方が多いと思います。そんなときに、助手席でサポートをしてくれるのが、M&A仲介会社です。彼らは、今までM&Aという道をたくさん通っている経験があるので、より安全な道やより近い道を案内してくれます。

ここで、運転手としてありがたいのが“自動運転サポート機能”です。スピードを出しすぎてしまったり、車道から外れそうになると、アラートを鳴らして正しい運転を補助してくれます。その役割を担うのが税理士や弁護士で、専門的な知識により、ルールに則って正しい走り方をサポートしてくれます。

ここに出てくるのが、“警察”です。スピード違反はしていないのか、過積載はしていないのか、を監督しています。それが車や運転手の調査を行う買収監査機関(会計事務所や弁護士事務所など)です。買収を行うお相手様が適法に運営をしているのか、や、どれぐらいの将来性があるのか、などを確認するという機関です。

その他、おカネという“ガソリン”を提供してくれる金融機関もあれば、本記事のようにどうやって道を走ればいいかという“道路標識”もあります。

こういったことを利用することによって、安全に目的地まで走っていただきたいと思います。

イメージをいただくために車の運転で例えを出させていただきましたが、主なサポート機関を具体的にまとめたものが以下です。

 

以下でこれらの支援機関についてその具体的な役割や活用事例について説明をしたいと思います。

M&Aをご検討されるのであれば、M&A仲介会社にまずご相談されるのが良いでしょう。それは、他のサポート機関は、M&Aが本業でなく、その経験が乏しいためです。ただし、M&A仲介会社は、M&Aありきで話を展開してくるケースが多いです。そうした際のために、他のサポート機関を二次的に利用するということが安全にM&Aを進める上で大事とされています。

後継者不在等により事業承継にお悩みの方24時間以内に折り返しいたします。※ただし夜間・休日の場合、翌営業日までかかる場合がございます。

3. M&Aをサポートする機関の具体的な役割

この章では、M&Aをサポートする機関の具体的な役割をそれぞれ紹介していきます。

3-1. M&A仲介会社

M&A仲介会社は、先ほど車の例で挙げた通り、皆様が実現したい目的を達成するためにさまざまな支援をしてくれます。多くのM&A仲介会社の従業員には、税理士や弁護士、公認会計士などの有資格者がいるため、相当な専門的知識を持って目的まで導いてくれます。

日本のM&A仲介業界は比較的歴史の浅い業界です。しかし、今般の後継者不足の問題を背景に年々増加するM&Aをサポートするために新興企業が増えています。この記事の内容を参考に、よりよいサポーターを見つけていただけることを願っております。

M&A仲介会社の具体的な役割としては、「M&Aの最初から最後、その後まで」というイメージです。

どのようにM&Aを進めていけばいいかという入口から、企業分析、財務分析、お相手探し、買収監査対応、契約書草案の作成など、M&Aに関するすべての流れについてサポートをしてくれます。

3-2. ファイナンシャル・アドバイザー(FA)

日本における中堅中小企業のM&Aでは、FAに依頼することはかなり少ないです。それは、メリットが少ないと判断されているからだと言われています。

FAは、M&A仲介会社と違い、譲渡企業または譲受企業の片側につくM&Aのサポート機関です。日本のM&AにおいてFAが活躍するのは大企業同士のM&Aと言われています。実際に中堅中小企業のM&Aを見てきた立場として、FAのように相手方と一種の敵対関係として交渉を進めると、多くの不都合が発生しているという事実もあります。

それは、中堅中小企業の場合、経営者の会社に対する影響力の大きさが原因と言われています。つまり、経営者同士が同じ方向を向いたり、息が合うことなどが、経営者の影響力が大きい中堅中小企業のM&Aにおいては重要である一方、FAは条件を良くする(譲渡企業のFAは高く売る、譲受企業のFAは安く買う)ことで報酬が上がるため、経営者の考えや想いにフォーカスがされがたいということです。

3-3. M&Aの情報プラットフォーム

M&A情報プラットフォームは、インターネット上でM&Aの候補先等の情報を提供しています。特徴としては、比較的小規模(売上高1億円未満)の企業がこのプラットフォームを使い、M&Aを成立させていることが多いとされます。インターネット上で情報をやり取りするため、スピード感があり、かつ、多くの譲受企業に対し、簡単にコンタクトを取ることが可能です。

ここで気を付けていただきたいのが情報漏洩です。M&Aは秘密保持が最も大切なことである一方、インターネット上で不特定多数の方に情報を提供する形になるため、情報の取扱いには細心の注意を払う必要があります。一度インターネット上で公開されてしまった情報は即座に広まりますので、万が一、譲渡企業の特定につながる情報が漏れてしまえば、それを消すことには多大なコストや時間を要することになります。そのため、適切なサポートをしてくれる専門家と一緒に深く検討をした上でプラットフォームを利用することがいいと思います。

また、プラットフォームは、一般的なM&A仲介会社に比べ、手数料が安いことも特徴です。これは、裏を返すと、M&A仲介会社は弁護士や税理士、その他多くの専門家とともに安全なM&Aを進めているため、コストがかかり、プラットフォームのような安い手数料ではM&Aのサポートをすることが比較的難しいと言われています。M&Aは安全に進めることが大事であるので、丁寧に時間をかけ、より良いお相手様や条件を詰めていく必要があります。こうした背景をもとに一定規模以上(売上高1億円以上)の企業の場合はプラットフォームより他のサポート機関にご依頼されるのがよいでしょう。

早くご売却したいということがM&Aをするにあたっての最も重要な条件である場合には、プラットフォームを使うことをおすすめします。M&Aは、秘密保持が最も重要であるという観点から、情報を拡散するリスクを抑えるために、一種のバラマキとも言えるインターネットでの情報拡散はNGとされていました。しかし、情報漏洩をしないというメリットの反対に、スピード感が失われるというデメリットもあるのは事実かと思われます。安全やよりよい条件を目指すというよりも、何よりも早く、ということをお考えの場合は、プラットフォームを使われることが良いのではないでしょうか。

3-4. 金融機関(保険会社、証券会社含む)

ここ数年、銀行を中心とした金融機関がM&Aのサポートに本格的に注力をしています。銀行の場合で言えば、過去の融資取引の実績がある場合には譲渡企業の財務に対する理解が深いため、スムーズに進めやすいとされています。

ここで知っておいていただきたい情報が、金融機関の中には自社でM&Aを完結させていないという事実があることです。金融機関に相談をした場合、多くのケースではM&A仲介会社を紹介するという流れになっています。これは、実態として手数料を払う対象が増えているとも考えられるため、金融機関の選び方には注意を払っていただきたいです。

まだM&Aのサポート実績が少ない場合(特に担当者が転勤などで代わる場合)、M&A仲介会社に情報を渡すだけになってしまいがちです。しっかりとサポートできる金融機関も多いため、担当者の実力や実績がしっかりとあることを確認してください。そして、金融機関から仲介会社を紹介された場合は、仲介会社をうまく扱うためのパートナーとして関係性をつくるというご認識でよいかと思います。

逆にM&A仲介会社に頼まないで自社でM&Aを完結できる金融機関もあります。これはあまりおすすめしません。地域金融機関単体でサポートされる場合は、その金融機関がリーチできるエリアでしかお相手様を探すことができない可能性が高いため、全国にいる有力なお相手様候補を諦める形に事実上なっているというリスクをはらんでいます。

また、M&Aをするための資金を自分たちの銀行から借りてほしいがために、自行の取引先に優先的に紹介するという銀行都合のインセンティブが発生してしまっていることは大きなリスクになっている実態があります。M&Aは人生に何度もあることではないと思いますので、こうしたブラックボックスに気づかず進めてしまうことがあるので、ぜひとも多くの情報を手にされることが良いと強く思います。

3-5. 税理士法人、会計事務所

税理士法人は、企業の納税を行う上で必ずと言っていいほど顧問先として関与されていると思います。決算書を作成してくれるため、皆様の財務について深い理解をされていることでしょう。M&Aには、さまざまな税金の問題が絡んでいます。譲渡した際の売却益に対する課税や、退職金、相続税など税金のスペシャリストとしてM&Aをサポートしていただけます。また、買収監査のときには税理士の方等にご同席いただき、お相手様の税務や財務に対する質問について適格に答えていただくなど心強い存在かと思います。

3-6. 監査法人

監査法人は、譲受企業側として登場することが多いと思います。代表的な登場場面は、買収監査のときです。譲受企業側が契約を結び、譲受企業に代わって財務や税務における質問をし、譲渡企業の実態を把握するサポートをしてくれます。

3-7. 弁護士法人

弁護士法人は、上記3-4、3-5と同じような立ち位置として登場します。M&Aは法律の専門的な知識が不可欠になりますので、弁護士のサポートを受けることはとても重要になります。M&A仲介会社は、弁護士法人ではないことが多く、法律の解釈やアドバイスをすることができません。そのため、顧問弁護士のサポートを受け、安全にM&Aが進められるようにすることをおすすめします。

3-8. 司法書士事務所

司法書士事務所は、登記関連のサポートをしてくれます。M&Aを行うにあたり、司法書士が登場するのは以下の場面が多いです。

  • M&A後の役員変更登記
  • 株券の不発行化
  • 会社分割
  • 不動産売買を伴う場合の登記手続き

司法書士事務所は、弁護士や税理士と連携をしながら進めることが多いため、M&Aに慣れている方を選ばれると良いでしょう。

3-9. 社会保険労務士事務所

社会保険労務士事務所は、労務関係のスペシャリストとしてサポートをしてくれます。税理士法人と同じように、買収監査の際などに譲受企業側からの質問に対して自社の労務管理について説明をしてくれます。近年、労務に関する厳しい世の中の流れがあります。丁寧に、かつ、深く労務管理の状況を質問される監査が多いため、社会保険労務士のサポートは重要であると思います。

4. M&Aのサポートを受けるメリット、デメリットとは?

M&Aをサポートする支援機関を活用するメリットは以下の3点が挙げられます。

①M&Aの相手探しが容易になる
②円滑な実務が可能になる
③幅広いネットワークを築ける

4-1. メリット①M&Aの相手探しが容易になる

M&Aの課題の一つは、最適な相手を見つけることです。M&Aのサポートを支援機関から受けると、譲渡オーナー自身のネットワークや関係性のみに依存することなく、多くの譲渡企業候補と接触できる可能性が高くなります。これにより、ビジネスの相性や価値観が合う相手を見つけやすくなります。お相手様は全国から探すことが良いため、経営をしながらご自身で全国の候補先様と交渉するのは事実上不可能だと思いますので、M&Aのサポート機関を活用されることが多いです。

M&Aのサポート機関の担当者の能力はM&Aの成功を左右するほど重要なものです。なぜならば、担当者が話を聞き、理解し、それを加工し、相手方に伝えるという、担当者の能力に相当程度依存したビジネスがM&A仲介業であるからです。担当者の能力には本当にばらつきがあるため、それを見極めることが欠かせません。M&Aの担当者の選び方については下記の記事を参考にしてください。

■関連URL:『M&Aアドバイザリーとは? 知らないと損! 本当に押さえるべき選び方と注意点7選』

4-2. メリット②円滑な実務が可能になる

M&Aでは法務、税務、税務などの専門的な知識が必要です。M&Aをサポートする支援機関を活用することで、難易度の高い交渉を円滑に進めることができる上、想定されるリスクや起こり得るトラブルを事前に対処することが可能になります。M&A上のリスクについては、下記の記事を参考にしてください。

■関連URL:『M&Aで気を付けるべきリスク18選 対策チェックリスト一覧』

4-3. メリット③幅広いネットワークを築ける

M&Aをサポートする支援機関は、多くの企業や専門家と関係性を構築しています。このネットワークを活用することで、より多くの情報を入手することができます。

4-4. デメリット 手数料により相応のコストがかかる可能性も

一方、サポートを考える上で、デメリットとなる可能性があるのは手数料です。

M&Aの専門的なサポートは、それ相応のコストがかかります。特に、着手金や中間金、成約報酬はM&Aの支援機関によって異なりますのでしっかりと見比べてください。

最近では完全成功報酬がM&A業界のトレンドになりつつあります。ここで考えていただきたいのが、安価を理由に支援機関を選んでいいのか、ということです。M&Aが成約するまでお金を支払う必要がないというのはある意味で魅力的ですが、悪質な支援機関はお金を受け取っていないことをいいことに、適切なサポートを提供していない可能性もあります。結果的に高い代償が付くこともありますので、慎重な姿勢で支援機関を選ぶようにしてください。

5. M&Aのサポートで成功した事例

5-1. 相手が決まっていて弁護士法人を使ってスキームと契約書を作成してもらったケース

M&Aを進める上で、お相手が決まっているというケースは間々あります。重要な取引先以外をM&Aの相手にすると、取引が切られてしまう等の状況がある場合などです。こういった場合は、M&A仲介会社に高い手数料を払う必要はない可能性が高いです。

しかし、M&Aの知識がまったくない状況でM&Aの契約を結ぶことはリスクがあるため、契約書の作成や法律上の問題についてのみ弁護士法人にサポートを依頼し、安全に、かつ、少ない手数料でM&Aを成約することができました。

5-2. 1年以上の交渉がブレイク(決裂)してしまった後に仲介会社を使ったケース

M&Aの交渉は複雑で長期にわたることが多いです。前述のケースと同じですが、お相手が決まっている状況でありながら、重要な取引先である相手方に対して、ある意味で毅然とした強気の交渉ができなかったがゆえに、交渉が不利になってしまい、最終的な合意に至りませんでした。

取引は継続してもらえる状況でありながら、万が一、取引が解消されるというリスクを抱えてしまった形になってしまったため、早期に他の候補先とのM&Aをすることにし、M&A仲介会社を利用しました。M&A仲介会社が探してきたお相手は、破談になった取引先と同様の商品を取り扱っており、M&Aをすることでリスクをなくすことができるという理想の相手でした。また、条件も大幅に良くなり、短期間での成約をすることができました。

6. M&Aのサポートで失敗した事例

6-1. M&Aのサポート機関を入れずにM&Aがうまく進まなかったケース

M&Aのサポート機関は、多くの情報を持っています。そのため、いろいろなM&Aのサポート機関に情報を確認することが良く、適切な情報を集めることがM&Aを進める上で非常に重要になります。M&Aにおける自社売却の評価額を算出するためにも、適正な評価額をあらかじめ把握しておくことが一般的と言えます。

ですが、ある譲渡企業のオーナーは、こうしたことを経ず、自社に適した情報がない中でM&Aを進めてしまいました。M&A仲介会社を利用した場合は、さまざまな譲受(買手)企業を比較検討することが大前提であるため、適切な評価額に近づいていきます。本ケースでは、そうした比較もなく交渉を進めてしまったため、一般的な条件からかけ離れてしまい、一般的な株価計算から4割程度安価な条件でM&Aを成約させてしまいました。

6-2. FAの議論で金額がやり玉に挙がり、最良のパートナーと交渉がうまくいかなかったケース

M&Aのお相手が交渉の段階でFAをつけることになったため、譲渡側のオーナーもFAをつけることにしました。ですが、3-2で紹介した通り、FAは条件を良くする(譲渡企業のFAは高く売る、譲受企業のFAは安く買う)ことで報酬が上がるため、経営者の考えや想いに焦点を当てがたいです。

そのため、議論が金額の話題ばかりになってしまい、提携後の経営などの話題は置き去りになってしまいました。結局、最良だと思っていたパートナーとぎくしゃくしてしまい、何のためのM&Aなのか分からなくなってしまいました。

7.まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。M&Aのサポート機関について依頼先や種類、その特徴や選び方についての理解は深まりましたでしょうか?

この記事内では、車を例にM&Aの説明をさせていただきました。“運転手”(会社のオーナー)が安全に目的地まで行くためには、助手席に座るパートナーが大切です。眠くなったときには声を掛けてくれたり、疲れたときにはサービスエリア(SA)に止まろうと言ってくれる存在は安全なM&Aを実現する可能性をぐっと上げてくれます。

M&Aworksとして考えていることは、『M&Aを成約させることが目的ではなく、人生をより良くすることが目的』ということです。

M&Aはあくまで通過点で、“運転手”の方が何をしたいかに着目する。つまり、どんな人生を送りたいかに着目して、“助手席でサポート”する。これが、専門家としてお役に立てることだと信じております。

M&A worksは会社オーナーの方々のより良いM&Aの実現に向けて丁寧にサポートをしていきます。ぜひともお問い合わせいただければ幸いです。

初回のご相談は無料!まずはお気軽にご相談ください。

 

M&A・事業承継に精通した経験豊富なスタッフが対応いたします。
ご相談は無料です。ぜひ一度お話をさせてください。

03-5797-7871 受付時間 平日09:00 ~ 18:00

M&A・事業承継に精通した経験豊富なスタッフが対応いたします。
ご相談は無料です。ぜひ一度お話をさせてください。

電話で無料相談 Webから無料相談